PROJECT STORY #02

鋼製加工品 渋谷都市開発

2012年渋谷ヒカリエ開業を皮切りに、国際的な「エンタテイメントシティ SHIBUYA」の実現に向け、渋谷駅を中心とした大規模な再開発が続いている。

ジェコスはこの再開発でその対応能力を発揮し、いくつもの難問を解決してきた。
再開発プロジェクトの一つ、東京メトロ銀座線の移設。渋谷駅には4つの鉄道会社の9路線が乗り入れているが、その連絡は必ずしもスムーズとは言えなかった。
2013年に東急百貨店の2階にあった東急東横線ホームを地下に移し、東京メトロ副都心線と直結させ、旧東急東横線ホームと東急百貨店ビルを解体。さらにその後の計画は、東急百貨店に乗り入れている銀座線の駅をそのまま表参道寄りに134メートル移動させ、明治通りの上に駅を新設。解体跡地には47階建の高層ビルを建設し、ビル内に設けた銀座線コンコースを介してJR線等との連絡をスムーズにするというものである。
大動脈である鉄道各線を停めることなく、限られた敷地でいかに安全に工事を進めるか―新駅が完成するまで移設した銀座線を支える仮桁を設計・施工するジェコスに、知恵と工夫が求められた。

最初の難題は、1工区の作業構台。線路下に建設する地下変電所の作業用のプラットフォームを設けるのは、ヒカリエと商業ビルに挟まれた線路の上である。終電から始発の間に工事を終えるには、どう作業を進めるべきか。作業構台を設計・製作する長沼工場の技術担当者は、現場を見ながら考え込んだ。
限られたスペースと時間内で完成させるには、現場での作業負担を最小限に抑える必要がある。長沼工場の出した結論は、以下の4つであった。

  • ① 示された設計図にあったH形鋼ではなく、より高強度の箱型工事桁を使用し、中間杭の省略による作業省力・工期短縮。
  • ② 工事桁は長沼工場で製作。ボルト締めまで済ませ、現場作業を短縮。
  • ③ 工事桁の上に敷く覆工板を特注サイズとし、工事桁の間隔を縮めることで工事桁の施工本数を削減。
  • ④ さらに長沼工場で仮組を行い、現場で確実に施工できることを確認した上で搬入。

この結論が功を奏し、工事は無事成功に終わる。同様の工夫が次の工区でも発揮され、連続5区受注となった。
失敗が許されない現場における、営業担当者の的確な判断と提案。そして、その実行を保証する長沼工場の入念な検査と納期管理。営業と工場との連携が、お客様からの信頼を獲得した結果であった。